HTMLの変遷

HTML(Hypertext Markup Language)は1989年ジュネーブの原子核研究機構(CERN)において膨大な研究論文の閲覧システムとして、現在のインターネットの仕組みWWW(World Wide Web)やURL、HTTPとともにティム・バーナーズ=リーにより考案されました。1990年には世界初のサーバーとブラウザが誕生し、HTTPという通信手段を使ってURLでファイルが保管されているサーバーへアクセスし、ブラウザでHTMLで記載されている文章構造やハイパーリンクを私たちに見やすく表示する仕組みが実装されました。

1995年HTML2.0のバージョンが発表される頃になると世界中にインターが爆発的に普及し始め、MicrosoftのIE(Internet Explorer)などさまざまなブラウザがシェア争いを繰り広げ、HTMLの独自タグの拡張をおこなうなど現在まで続く混乱の一因にもなりました。また、私がHTMLを学んだ頃は見た目重視と、どのブラウザでも同じに見えるようにと、Webベージ全体を表組で固定してレイアウトを作成するなど、HTML本来の文書構造を示すマークアップ言語としての本質から逸脱した作成方法が推奨されました。

W3C (World Wide Web Consortium) WWW (World Wide Web) で利用される技術の標準化を促進する団体は、1997年1月にHTML3.2で文字や背景などWebページに色や装飾が付けられる新しいバージョンを発表しましたが、HTMLの本来の趣旨から逸脱するとの疑問があがり、早くも同年12月にHTML4.0(後に4.01)において、装飾やレイアウトについてはHTMLと切り離し[css]スタイルシートで定義することが提唱されました。その後XMLとのデーター互換などを見据えたXHTML1.0がW3Cで提唱されXHTMLの時代になるかと思われましたが、2008年W3Cで草案発表されたHTML5が2014年10月に紆余曲折を経て新しいHTMLとして勧告されました。

THML5はパソコン以外にもスマートホンなどマルチデバイスでも採用され、CSS3とともに世界標準となりつつあります。マイクロがIEからEdgeにブラウザを変更したのもこの流れのひとつです。